- 2008年8月11日 00:42
- IAV news
ケイトさんのアーティストトークは終了致しました。
お越しいただいたみなさま、ありがとうございました。
都心の公園を訪れると決まって奇妙な「違和感」を感じる。
非常に精巧に作られた自然は人間本意に制御され、コンクリートで囲まれた容器の中に納められている。人々はそこで自然と戯れることによって癒しや快楽を得るのである。
このような「違和感」は公園のみならず、動物園、博物館など実に様々な場所で感じられるわけだが、もはや多くの人はそれらに慣れ親しみ、何の疑問も抱かなくなっている。
ケイトさんの作品群はそういったある種の「違和感」を有している。
彼女の作品はいずれも自然物をモチーフとしているが、それらを形づくるマテリアルは樹脂やフェイクファーなど、人工的なものに限定されている。また、博物館の陳列に用いられるようなケースや贅沢な装飾が施された調度品を人工物の象徴として作品の要素として取り入れている。
人工的な容器の中に納められた自然物(人工的なマテリアルで制作されているが)は、人間が自然を所有しようとすることをシニカルに表現しているように感じられた。
入れ子状に空間を形成する独特なインスタレーションを一同に見ることができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。