INO ARTISTS VILLAGE - ご案内

ご案内

東京藝術大学創立120周年記念事業「地方公共団体と連携して行う学外拠点形成検討プロジェクト」/取手アートプロジェクト2007連携企画

井野アーティストヴィレッジ


東京芸術大学と取手市は、UR都市機構の協力を得て、取手市内にある井野団地内、「井野ショッピングセンター」の一棟を改装して、共同アトリエ「井野アーティストヴィレッジ」を設立することになりました。
意欲ある若手アーティストに割安な条件で共同の制作場所を提供することにより、創作活動を支援するとともに作家相互の交流を促進し、また地域住民との交流を通して地域の文化的活性化をはかりたいと願っています。

「井野アーティストヴィレッジ」設立の経緯

■「芸術家村構想」
東京芸術大学では、創立以来、優れた芸術家の育成を使命としてきました。私たちは、芸術および芸術家は社会にとって必要不可欠なものであると信じています。大学や芸術家は、地域の文化的な環境形成に対して大きな貢献が出来るはずです。しかし優れた芸術や芸術家はひとりでに生まれるものではありません。まちのあり方や住民の意識など、芸術を取り巻くさまざまな環境が醸成されて、はじめて創造的な人材が輩出されます。
東京芸術大学では平成17年、宮田亮平副学長(当時、現学長)の呼びかけにより、学長プロジェクト「地方自治体との連携による芸術家村構想」を立ち上げて、「いかにして地域住民や地方公共団体などと連携して、芸術家が住まい、制作し、創造的な活動を行なうための環境を形成していけるのか」といった課題を検討しました。平成17年7月には「芸術家村構想」シンポジウム「芸術家と共生するまちづくり」を開催し、自治体関係者など多数参加されました。本事業も、こうした経緯の中で提案したものです。

■「東京芸術大学と取手市」
 東京芸術大学が取手市小文間に取手校地を開設して15年、取手市は「アートのあるまちづくり」を標榜してきました。国の基本政策においても「地方の時代」「文化の重要性」が叫ばれ、「まちづくり」や「市民活動」と結びついた芸術文化による地域活性化事業が各地で盛んに行なわれています。
 取手市でも、平成10年よりまち全体を使ったアート展「取手アートプロジェクト(通称TAP)」が開始され、大学と市民、行政が共同して実行委員会を組織し、毎年交代で全国公募による「野外アート展」と地元在住作家によるアトリエの公開「オープンスタジオ」を中心としたプログラムを開催しています。今年9年目を迎えたTAPは、国土交通省主催の地域づくり表彰「国土交通大臣賞」「高島屋文化基金」、サントリー財団「全国地域づくり表彰」を受賞するなど、大学、市民、行政が三位一体となって「特色あるまちづくり」を行なってきた先例として全国的にも評価、注目されています。
 こうした実績をふまえて、取手市には駅前に複合的な文化施設「芸術の杜」を建設する構想があります。東京芸術大学でも取手市からの委託研究事業として「芸術の杜構想検討会」を立ち上げ、包括的な「地域における文化の活性化政策」を策定、平成18年5月には取手市に提出しています。また上野と取手とを結ぶ常磐線を「JOBANアートライン」と名付け、関連自治体およびJR東日本、東京芸術大学による連絡協議会が設立されています。さらに取手市と東京芸術大学は、「アートタウン取手」を目指して連携協定を締結、取手市がアートにより生き生きとしたまちに蘇ることに、大きな期待を寄せています。

■「井野アーティストヴィレッジ」
 若いアーティストにとって大学卒業後に抱える最大の問題は、いかに作家としての活動を継続していくかであり、そのためには、制作活動の拠点(制作場所、作品の保管場所)が必要不可欠です。私たちは、市内に彼らの制作拠点、そしてアーティスト同士が集れる魅力的な場所を確保することで、学生・卒業生の定住化を促進したいと思います。それは外からも才能と意欲をもったアーティストを呼び込むことにつながり、ひいては取手市の地域活性化方策ともなるはずです。そして「井野アーティストヴィレッジ」は、内外のアート関係者など様々な方面に大きくアピールして、若い才能の育成と新しい作家のデビューの場となるに違いありません。
井野団地では高齢化が進み、一人暮らしのお年寄りが周囲に買い物の出来る店もなく、孤独死なども起こっていると聞きます。市内中心部に位置する団地内というロケーションに、様々なジャンルの年代も異なるアーティストが多数集まることで、アーティスト同士はもちろんのこと、住民にとっても魅力的な交流と発見の場所としていきたいと考えて、ここを拠点とした様々な活動を展開していきます。皆様のご理解、ご支援をよろしくお願い申し上げます。