INO ARTISTS VILLAGE - アートフェア東京 2015 Haruko Sasakawa solo exhibition 「AD」展

アートフェア東京 2015 Haruko Sasakawa solo exhibition 「AD」展

Haruko_Sasakawa-AFT2015.jpgアートフェア東京 2015
Haruko Sasakawa solo exhibition
「AD」展

一般公開:
3月20日(金)11:00-21:00
3月21日(土)11:00-20:00
3月22日(日)10:30-17:00
会場|アートフェア東京2015 No.S24 Yoshimi Arts
東京国際フォーラム B2階 展示ホール
東京都千代田区丸の内3-5-1
TEL 03-5808-1451  (アートフェア東京実行委員会 事務局)
入場料 | 1-DAY パスポート 当日2,000円(税込)
http://artfairtokyo.com/

笹川治子は、2012年6月にYoshimi Artsにて、初個展「case.A」を発表しました。謎の会社組織の展示会を思わせるインスタレーションで、Aが記されたマークを配したアメニティグッズやメダルを並べ、中央には科学技術によって産み出された機械のように見える巨大なハリボテの造形物を出現させました。原発、人工衛星、オウムのサティアンなど、その造形物から思い浮かぶものは様々ですが、脅威とも成り得る最先端の科学技術がハリボテのような代物に映るということが、皮肉でもなく現実であることを再認識させられた鑑賞者は少なくなかったでしょう。また、同展では「AD」=「アドバタイズメント」がテーマの一つとなっており、繰り返し用いられるが為に、Aのマークが意味を成すような意識を鑑賞者は持ちはじめ、Aが普及していく様を体現することとなりました。

また、2012年7月には、大阪のアートフェア、ART OSAKAのYoshimi Artsブースにてインスタレーション「case.C」を発表。ホテルの一室にCのマークがついたフェイクのコインが大量に散りばめられました。為替のチャプターを想起させる映像やレートによる価格表がテレビモニターに映し出され、多くの鑑賞者がCコインをその場で購入しました。フェイクであるCコインが円の通貨と交換されたのです。Cコインは金・銀・銅の色で彩られているものの、歪で壊れやすく、一見通貨の体を成していないかのようですが、通貨の本質を表しています。このインスタレーションでは、Cが社会への流通を実現し、鑑賞者はその証人となりました。

2013年にアートフェア「ART OSAKA 2013」(ホテルグランヴィア大阪26階)で行われた、笹川治子のパフォーマンス「Study Room no.6221」。アートフェアの会場であるホテルの客室で、「Text book 教科」という教科書やDVDの教材を基に、真剣にメモを取ったり、不可思議なポーズをしたりする、ある一人の女性の奇異ともとれる行動を来場者は目にし、アートフェア期間以外の普段のホテルでは、決して垣間見ることが出来ない私的空間が公開されました。

得体の知れない文化や習慣を習得しようと努力する人物を客観的に鑑賞するためのパフォーマンス。(ある時代・地域において[例えば日本の戦時中]、ある概念が正しいと教育され、実行される。しかしまた違う時代・地域でそれを全否定されるような例が多々起こる。学び、信条とするために通過するプロセスを客観的に鑑賞するためのパフォーマンス。)  笹川治子のテキストより

このパフォーマンスは、アートフェアという場には稀な形式とコンセプトの作品として、様々な評価をいただきました。

その後2013年10月に、Yoshimi Artsにてパフォーマンス「Study Room no.6221」のドキュメント映像の上映と、「Text book 教科」やパフォーマーによって書き出されたメモなどをパフォーマンスの記録として展示し、ギャラリーを教科書の販売イベントのような会場に仕立てました。

笹川治子は、この社会で起こる出来事に対し批評的な視点を持ち、それらを記号的に可視化し、また、現象を様々な局面に置き直し、脱力的に表現することでリアリティーを表出する試みをしています。今回のアートフェア東京2015では、平面作品などによるインスタレーションを予定致しております。